週末開催されたGP神戸に、ジャッジとして行ってきました。
震災での延期を経て久し振りの全国大会です。帰省を除けば長旅も久々。



○直前

何といっても東北大震災でしょうか。
被災時刻は地下鉄に降りようとしていたところで、ちょうど実家と電話していて向こうの方が早く揺れたため、地上で待ち構えることが出来ました。
まさにその前日に日帰りで仙台へ行っていたため、凄く背筋がヒヤリとしました。
仙台の仲間達をはじめ、東北のみんなには頑張ってほしい。

GP神戸そのものも1ヶ月の延期となりました。
旅程やら前後の帰省やらサイン会やらの予定が狂って、あの時期はその調整で手一杯だったような。



○0日目(04/21) 「神戸って何がどうなってるの?」

よくよく考えると、私って神戸のこと何にも知らないんですよね…地理的にも名物的にも。
高校の修学旅行で奈良大阪に行ったとき、ついで程度に寄ったことはありますが。神戸牛くらいしか知識がない。
準備段階では「会場は空港のすぐ近くだけど、ジャッジホテルは三宮経由で少し移動する場所にあるよ」とのことで、かなり焦りました。地図こそ印刷したものの、距離感がまったく掴めず。
結局あまりに不安すぎたので、知り合いのジャッジに連絡を取って案内してもらうことに…(汗

20時すぎに羽田から神戸へ。空港で案内人と合流し、23時頃にジャッジホテルへ無事チェックイン。
ロビーで喋りながらコンビニ弁当をつついていると、ホテルが三宮駅まで送迎サービスを行っているとの情報を入手。この日ホテルを取っていたジャッジのうち3人と、翌朝は一緒に行こうということに。
ご飯を食べた後は、時間が遅かったこともあってすぐに就寝しました。



○1日目(04/22)「サイドイベントデーなんだけど」

この日は9時に会場集合。
前夜に約束した3人に1人加えて、5人のパーティで7時半に三宮駅へ。其処までは良かったんだけど、ポートライナーはラッシュアワー。思っていたより混んでてちょい大変でした。
しかし移動自体は恙無く、何と8時過ぎには会場に到着してしまった^^; ホテルの人「1時間かかります」って言ったやん!
めっちゃ眠くてグロってたので、他の面子と話しつつ転寝しつつで1時間過ごす。人によって「会場でジャッジシャツに着替える派」「ホテルからジャッジシャツを着てくる派」が居て面白かった。「そもそもジャッジシャツしか服を持ってきてない派」なんてのも。
そうこうしているうちに、9時にHJ登場。これから始まる大イベントに向けた心構え、その日の配置の話、ジャッジ全員の軽い自己紹介など。GP初参加の人もちらほら居たのに加え、外国からの助っ人も数名来ていたので、自己紹介大事。

この日はGP直前予選(LCGPT)がメインで、夜からスーパーFNMがあるだけ。
いつもはそんな前哨戦の日でも割とカツカツに忙しいんですけど、今回はかなり楽に回ってました。普段のGPに比べて、金曜出勤のジャッジの数が多かったようです。あと個人的な考えでは、LCGPTの運営がいつもと若干違ったこともあるかなと。
普段は全員が全フロアを満遍なく触っていくんですけど、今回は役割分担を明確化していた感じでした。私はデッキチェック班でしたが、その班に回されるべき仕事が次々と的確に流れてきて、こなしていたらフロアに出る暇が無かったくらいです。
それでもフライトが滞りなく進行できていたのは、「1フライトにメイン担当者1人をあてがう」方式だったからかな。つまり、32人1フライトに1人の専属ジャッジをあてて、そのフライトの時間管理等を1人に集約して回していたのです。
ホワイトボードに各フライトの進行状況や終了時刻のメモもされていたりと、全体の進み具合や担当者がハッキリ分かったので、凄く動きやすかった印象です。

さて、さっきもチラッと書きましたが、この日私はデッキ・デッキリストチェック班でした。
仕事は、基本的に「新フライトのリスト32枚がリーガルかどうか確認する」「イリーガルリストをデッキチェックし、裁定を出す」「デッキハントを行う」の3つ。
リストを数えていると、やっぱり色んなイリーガルが存在します。殆どはケアレスミスなので、デッキリストを書くプレイヤーには常に注意してもらいたい。

多いのは、「メインボードが少ない」「サイドボードが少ない(多い)」「数字が殴り書きで判別がつかない」「カード名が不正確」あたりでしょうか。
メインが59枚or56枚ってのをよく見ます。1挿しのカードを書き忘れたり、4枚が多いデッキで1種類抜けたり。1挿しの記入漏れはサイドにも多いです。
あと、デッキリストがあまり丁寧に書かれていないと、数字が誤認識されてしまうことがあります。特に「2」と「3」は、走り書きであればあるほど見間違われやすいです。ジャッジ側も区別に神経を使いますし、「本人は3のつもりだったけどジャッジは2と読んだ」ということが起きた結果イリーガルリストになる事例もあります。
カード名については、走り書き繋がりになるのかな。今回あったのは、「カード名が途中までしか書かれていない」というイリーガル。
時間がギリギリだと急ぎがちになるのはよく分かるんですが、デッキリストは一生懸命、丁寧に書くことを心がけてほしいものです。

トーナメントの立つ速度が遅かったこともあり、比較的余裕を持って回しながらお昼時間に。
13時頃に昼休憩をいただいて、一緒に休憩に入ったジャッジ達と一緒に向かいの建物のレストランへ。スタミナつけなきゃいけないのは分かっていたんですが、あまり沢山食べる気分ではなかったのであっさりめに。
4人で食べていたんですが、初めてお会いする方が混じっていたこともあり、話が途切れない良い時間でした。
会場に戻ったとき10分ほど余っていたので、ちょこちょことバイヤーブースヘ。ざっと眺めていると、残り時間1分のタイミングで変なものを発見。

《メムナイト/Memnite(SOM)》のゲームデープロモの、拡張アート。

時間が無かったこともあって、何も考えずに買ってしまいました。何というキワm…レア物w

さて仕事に戻ると、デッキチェック統括役が入れ替わりで休憩に入るとのことで、仕事を引き継がせていただきました。
と言っても仕事はそんなに大袈裟ではなく。ラウンドが終了するフライトを確認して、デッキハントのタイミングを掴んで実行する、その時間管理係みたいなものでした。むしろ2人ほど班にいただいて、実際のハント&チェックは彼らに任せて私は時間管理に集中できたくらいです。
班のうち1人が数足の草鞋を履いてしまって忙しくなってきた頃に、ちょうど統括役が戻ってきてメンバーに入ってくれましたし。私がちゃんと回せたのは、タイミングラッキーもありますし、システムがしっかりしていたからだと思います。

16時ちょい前、私に配置移動の報が。
続いての仕事はGP本戦の前日受付。DCIRの扱いに若干不安があったので、私は誘導係兼承諾書案内役となりました。
今回は、プレイヤーに「カバレッジに名前を載せたり、写真を撮ったりしていいよ」という承諾書を書いていただく作業があったんですよね。私はそのときまで知りませんでしたし、いざ受付が始まってみると、殆どのプレイヤーがそのことを知らなかったようでした。
英語ではありますがその場で記入できる簡単なものだったので、私はその案内をしながら列の誘導をしていました。前日受付で「承諾書を提出される方は名前を確認できるものをご準備くださーい」と叫んでいた女ジャッジは私です。

その仕事自体は簡単なものだったのですが、実は立ちっぱなしだったので結構辛かったです。
開始直後のラッシュを捌き、殆ど人が居なくなったあたりでちょい長めの休憩を貰いました。そういえば休憩もしっかり回っているし、本当に今日は上手く回っているなあと実感。

18時までの休憩で、途中「18:15に本部でミーティングだよ」と言われたので、会場に戻った後すぐにジャッジブースへ。
その時点で残っていた仕事は「GP本戦の前日受付」と「SFNM」のみ。HJはそれらに残す人員と、翌日に他より30分早く集合するチームの人員を募集すると、「オツカレサマデシタ!」と宣言。ホントにジャッジが多かったのよ。
私はSFNMに志願して仕事続行。

SFNMはシールド。REL一般だったこともあり、それほど苦労なく回せました。
メモっておくべきジャッジコールは「《核への投入/Into the Core(MBS)》と《剃刀のヒポグリフ/Razor Hippogriff(SOM)》」だけ。墓地と追放領域は明確に分けようね。
最終ラウンドが始まったところで、あがっていいよと言っていただきました。20時くらいだったかな?



○2日目(04/23) 「目が、目がぁ!」

8時に会場入り。
朝から調子が優れず、気分が落ち込み気味だったのに加えてめっちゃ眠くて大変でした。しかも、朝のミーティング中に左目が激痛を発し始めた。
元々逆さまつげを患って(?)いるので、ミーティング終わってすぐに専用目薬を点眼。

…したのですが、数分後には「目を閉じた上からタオルで押さえていないとダメ」という事態に。

このままでは仕事が出来ないというザマになってしまいましたorz
計らっていただいて、急遽近くの市民病院の救急外来へ。痛み止めの頓服薬と目薬を貰って、何とか落ち着くことが出来ました。
すぐに戻って仕事に入ると、班長とHJからそれぞれ「キツそうだったらすぐに言いなさい」と言っていただきました。本当に感謝&申し訳ない…。

話を戻して、この日は本戦とサイドイベント1つが走りました。私の担当は本戦のデッキチェック。ってそれしかしてないな。
今回はデッキチェック班が2つあったので、ラウンド開始時に2つハントと、ミドルデッキチェックを1つすることに。

そう、皆さんは「ミドルデッキチェック」というのをご存知でしょうか。
一般的なデッキチェックはラウンド開始時、シャッフルのために対戦相手へデッキを渡した瞬間にハントされます。此方は皆さんにも馴染みがあるでしょう。
ところが実は、大きな大会になると、サイド後の試合のときにハントされることがあるのです。「サイドを入れたからリストと違うよ」という方が殆どでしょうが、ジャッジはサイドボードされた状態のままデッキチェックを行い、そのままお返しします。
今回ミドルチェックしたプレイヤーに驚かれることが多かったので、認知度が低いのかなと思いました。ミドルチェックの存在を知っておくと、いざ対象になったとき「え、何かした?」と焦ることも無いと思います。

話を戻して。
デッキチェックをしているタイミング以外はフロアに居た訳ですが、やはり色々なジャッジコールがありました。

・スリーブの高さが違う

そのプレイヤーは100枚入りの新品スリーブを買って使用していましたが、ところどころ高さの違うスリーブがあり、判別できる状態になってしまっていました。
恐らく、50枚入り×2パックの100枚スリーブだったんだと思います。そういう包装のものは、残念ながら同じ1つの品でもパックごとに質が違うことがあります。
スリーブの質には十分ご注意ください。

・追加のセットランド

これは又聞きの事例ですので、一部曖昧な表現が使われています。本当の詳しい状況は分かりませんが、説明を簡単にするために《ムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Daya(ZEN)》と《ゼンディカーの報復者/Avenger of Zendikar(WWK)》を使います。
巫女と報復者が戦場に居る状態で第1メイン・フェイズに入り、土地を置きました。報復者の上陸能力が誘発し、それが解決される前に巫女が除去されました。そして上陸を解決したあと、「追加のセットランドは出来るのか?」ということになりました。

この事例で注意すべきポイントは、「巫女側が土地を置くときに『通常のセットランドなのか、追加効果のセットランドなのか』を宣言しなかったこと」にあります。
このことは本来、土地を置く際に宣言されるべきことなのだそうです。この場合の処置は、例えば《物語の円/Story Circle(10E)》で色を指定し忘れた場合と同様、その場で巫女側にそれを宣言させるのが望ましいそうです。



(筆者注:ここから先、2011/06/13に書き直しています)



・《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle(ZEN)》とバウンス

これも又聞きの事例ですので、一部曖昧な表現となっています。
プレイヤーAは、土地を8枚コントロールしている状態で《風景の変容/Scapeshift(MOR)》を唱えました。これが解決され、Aは《山/Mountain》1枚を残した7枚の土地を生け贄に捧げ、ヴァラクート2枚と山5枚をサーチしてきました。
ヴァラクートの能力が10回誘発し、Aはその対象をプレイヤーBの《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic(WWK)》に1つ、B本人に残りの全てを取りました。
このスタックで、Bは《謎めいた命令/Cryptic Command(LRW)》を唱え、Aが今サーチしてきた山のうち1枚をバウンスすると宣言しました(もう1つのモードはこの案件に無関係なので割愛)。
ここで全てのスタックの解決に入ったところで、「石鍛冶への3点は立ち消えたのか?」ということになりました。

この事例で注意すべきポイントは、「Aがどの山の誘発を石鍛冶に割り振ったのか宣言していない」ことと「Bがどの山をバウンスするのかを明確に宣言していない」ことにあります。
どちらのプレイヤーも、どの山による誘発が石鍛冶を狙っているものかをきっちり把握するべきだった筈です。



こんなところでしょうか。
その後は特に体調を崩すこともなく、トーナメント上も大きな問題が起こることもなく、この日は終了しました。ジャッジ間では、上の事例ともう1案件について議論が白熱しましたが(笑



○3日目(04/24) 「にっきが きえた」

…前述の通り、この記事の後半は2011/06/13に書かれています。一旦書いた日記が消えたために書き直しているものです。
元の文章を保存していなかったため、3日目の記録は失われてしまいました。

・前日の体調不良を気遣ってくれたHJのおかげで、若干遅めにシフトイン
・レガシーを担当。特に重要な案件はなし
・260枚の白青バベル

これくらいしか記憶とメモがありません。くっそー…orz



○総括

体調自体は整えていけたものの、目のトラブルは想定外だったのでちょい悔しいです。
ジャッジにとって非常に興味深い案件が多く、ルールブックを読み返す良い機会にもなったので、とても学ぶことが多かった3日間だと思います。

コメント

管理人@
2011年4月29日18:04

LCGPTの際に下に配属しましたLv0の物です。
その節は大変お世話になり、いろいろ勉強させていただきました。
教えて頂いたこと忘れずに今後も精進していきます。
この場でのご挨拶となりましたが本当にありがとうございました。

風華
2011年6月13日17:48

>管理人@さん

お世話様でした!
また機会があったらよろしくです^^

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